辞書の使用について
以前学校では(少なくとも私は)、意味の分からない単語があったらすぐに辞書を引き、その単語の部分についてはすべて目を通せ、と教えられましたが、これには反対です。
辞書を引くにはある程度時間がかかります。たとえ引き慣れても時間が全くかからないわけではありません。英語を学習する場合は時間はいくらあっても足りないものなので、極力無駄な時間を使わないようにすることが上達への近道です。
辞書を引くのは、単語の意味や用法、発音を調べるためです。もし発音が分かっていて、意味や用法も対訳や文章から理解できる場合は、辞書を引く意味は薄れます。
問題なのは、辞書を引いていると勉強している気になってしまうことです。辞書を引き、単語帳を埋めていくことで「勉強した」満足感に浸ってしまう人もいます。
ところが、辞書を引き、単語帳を埋めたとしても、それと語学力の上達は無関係です。いくら単語帳を作っても、それを身につけなければ何の意味もないからです。
肝心なのは、語彙力を身につけることです。それに貴重な時間をつぎ込むようにしてください。辞書をめくる時間、単語帳に書き込む時間があったら、それを身につける時間に使った方が上達は早くなります。
辞書をめくっている時間はあくまでもロスタイムだと考えてください。学習教材としてテキストデータを使用することを勧めている理由の一つは、辞書ソフトの方が検索が早いためです。
ただし、発音が分からない場合は必ず引いてください。
なお、以上は英和辞典の場合についてのお話です。英英辞典は積極的に使用した方が良いと考えています。
英英辞典の場合は英単語の語義が英語で解説されています。このため、新しい単語を学ぶ過程で、これまで習得してきた単語を使用できます。
習得済みの単語を固めつつ、さらに新しい単語を学ぶことができるという、一種の理想的な状態を手に入れることができます。
また、英英辞典の利点はこれに止まりません。英単語をより正確に理解するには、英語で理解する必要があります。
一つの言語を別の言語に置き換えるということは、一般に考えられているよりずっと難しいことです。
英和辞典の日本語訳は、必ずしもその英単語の意味・語感を100%正確に反映しているとはかぎりません。英英辞典を使用することで、より的確な英語の語感を養うことができるようになります。
なるべく早く、英英辞典を使いこなせるだけの英語力をつけるようにしてください。ひとまずの目標をここにおいて良いと思います。
なお、英英辞典にもいろいろありますが、これから購入される方には次の辞書がおすすめです。
おすすめする理由はたくさんありますが、一つだけ挙げるとすれば、ロングマンが独自に定義した2000の基本語だけで、語義の説明がすべてなされているところです。
2000語程度の語彙力を身につけるのは簡単なので、かなり早い段階で英英辞典に移行することができます。
CD-ROM版も付いているので、PCを使用して学習する際もそのまま利用できます。
この辞書はペラペラめくりながら読んでいっても、十分に楽しめます。英英辞典を使いこなせるようになると、辞書を引くのが楽しくなりますよ。