勉強時間の使い方
以前英語を身につけるためには約5000時間必要になるという話を紹介したことがあります。
これだけでも十分やる気をなくさせる数字ですが、これはただ単に英語を「身につける」のに必要な時間というだけです。
英語を志している方の中には将来通訳や翻訳など英語専門職に就きたいと考えている方も多いと思いますが、これら英語専門職で仕事をするには、10,000時間必要になるとも言われています。
これからも分かるように、英語を志す以上時間はいくらあっても足りないのです。
とにもかくにも徹底的に無駄を排除し、効果が低いものには時間を使わないことが重要です。
勉強時間と「量」の関係
以前英語学習の「量と質」について言及しましたが、時間が必要になるのは、この「量」の部分が無限にあるためです。
問題はこの「量」の部分についてです。多くの学習者が勉強時間=「量」と考えていますが、かならずしもそうとは限りません。
「量」とは純粋に英語に接している時間のことです。「聞く・話す・読む・書く」、さらに英語で「考える・思う」時間が「量」に当たります。
これら以外の行為、例えば辞書をめくっている時間や解説を読んでいる時間、カセットテープの早送りや巻戻し中の時間、単語帳を作成している時間等はこの「量」の時間には含まれません。
「量」とは英語の「使用時間」のことです。この「勉強時間」に占める「使用時間」の割合を増やすことが、外国語を短期間で習得する鍵となります。
時間がないのに英語力を伸ばす人の秘密
仕事等で忙しくて勉強する時間が確保できないのに、英語力の伸びが速い人の秘密はここにあります。
忙しい人は細切れの時間を利用するしかありません。細切れの時間を利用する場合、利用可能な時間は数分、長くても10分ぐらいなので、無駄なことをしている余裕はありません。
このため、自然により時間効果の高い勉強を選択するようになり、結果として短期間で身につけてしまいます。
今までこのようなスタンスで勉強してこなかった方は、一度ご自身の日常の勉強の中で実際にどのくらい英語を「使用」しているかどうか確認してみてください。
特にたくさん勉強しているにも関わらず一向に英語力が伸びない方は、無駄な時間を使っていないかどうか自分の勉強法を見直してみてください。
例えば、1日30分しか勉強する時間が確保できなくなったら、どのように勉強するか考えてみてください。
人工的にそのような環境を作り出してみてもいいかもしれません。人類の歴史からも分かるように、人間は追い詰められた方がいろいろな知恵が生まれるものです。余った時間は洋画鑑賞にでも当ててください。
英語学習の発想転換を
もしかしたら、「勉強時間を確保する」という言い方そのものを考え直した方がいいのかもしれません。
「今日はよく勉強した」ではなく、「今日はよく使った」という発想に変えれば、使用時間は自然と増えてきます。
ともかく、英語は「使用」するものであるということを忘れないでください。