TOEICリスニングパート2・3対策としての音読、シャドーイング
会話形式のTOEICリスニングパート2とパート3
TOEICリスニングパート2とパート3は会話形式で、日常会話で使用される口語表現が多数含まれています。
これらは日常的に会話する機会がある人にとっては容易なパートですが、国内学習組でほとんど会話の機会がない者にとっては難しいパートです。
国内で会話の機会を得ようとするとそれなりに費用がかかったり時間を取られてしまうので、資金が乏しかったり多忙な場合は難しいものです。
しかし、一人でも手軽にできるTOEICリスニングパート2・パート3対策があります。それが「音読」「シャドーイング」です。
TOEICリスニングパート2対策としての音読・シャドーイング
TOEICリスニングパート2では読み上げられた文に対応する選択肢を選びます。すべて会話調で、会話として成立するような応答文を選択するものです。
TOEICリスニングパート2対策として音読やシャドーイングを行う場合は必ず会話文形式のテキストを用意してください。でなければ効果はありません。
音読・シャドーイングを行う際、どのような会話応答がなされているのかという点に留意してください。
例えば、5W1Hによる問いかけに対してどのように切り返しているか、またdo疑問文に対してはどのように応答しているか、といったような点です。
注意して聴いていると、文法に基づいて言えばYes/Noで答えるべき問いかけに対して必ずしもYes/Noで答えているわけではないことに気づきます。
このように、実際の会話では必ずしも文法通りのやり取りが行われている訳ではありません。そしてTOEICでもこのような引っ掛けのパターンが存在しています。
練習の際どちらか一人の人物になりきるのも有効かもしれません。テープを流しておき、登場人物のどちらか一人の文を読み上げます。
この方法の方がより会話している感覚に近づきますし、発話する量が減る分分析に気を向けることができるようになります。
TOEICリスニングパート3対策としての音読・シャドーイング
TOEICリスニングパート3は2人の人物による会話形式です。A→B→Aの順番で発話され、3つの文で会話が完結します。日常的に発生するごく短い会話と言っていいでしょう。
解答は会話全体の内容から推測するものもあれば、AもしくはBの意図するものを選択させるものもあります。
TOEICリスニングパート3対策としての音読・シャドーイングを行う場合、TOEIC問題集のパート3の部分をテキストとしてそのまま使用します。
そして徹底した音読・シャドーイングを行います。文章を自然と覚えてしまうまで読み込みます。
覚えるというと何か大変そうですが、音読・シャドーイングを繰り返せば何の労もなく覚えてしまいます。
特にTOEICリスニングパート3は1問あたりの語数が100語に満たないので負担が小さく、初級者でも十分可能です。
学習手順
具体的な学習方法ですが、ひとまず問題を解き、新出の単語、発音が曖昧な単語を辞書で調べます。
それから一問につき1日10回読みます。読むときはテープを流しながら、テープに合わせて読むのがいいでしょう。これを毎日行います。
慣れてきたらスクリプトを見ずに、テープの音を聴いて読むようにしてください。
5日から7日ほどたったら、スクリプトなし、テープなしでそらんじてみてください。
ほとんどの場合そらんじることができるようになっています。これが音読の力です。
これを繰り返していくと、自然とPart3の会話形式に慣れることができます。まずは初めに使用した模擬問題集を使用して、音読・シャドーイングに挑戦してみてください。
量をこなす
まずは先に回答した模擬問題集を使用して、と言いましたが、一問が短いので、実際にやりだすとあっという間になくなってしまいます。そこでおすすめなのが下記の教材です。
『TOEIC TEST完全攻略3000語 目標スコア600-900』
Susan Anderton ・中村 紳一郎 (著) 語研
この教材の主眼は語彙力の増強にあるのですが、TOEICリスニングパート3の問題を解く形式でテキストが構成されています。
最大の特徴はその問題数です。一冊でパート3形式の問題が何と200問分用意されています。
この問題数は模擬問題集6.75回分に匹敵し、問題数の多い模擬問題集2冊分を上回る数が収録されています。
また、もともと語彙力増強用のテキストなので語彙が豊富に含まれています。
目標スコアが600-900とあるので初級者には敷居が高いように感じますが、徹底的にシャドーイングをやっていく場合は多少語彙力が難しくても覚えてしまいますので、語彙力増強という点からもおすすめの教材です。
私も本書を使用してシャドーイングを行ったところ、スコアが大きく伸びました。TOEICのスコアが500以上ある方にはおすすめの一冊です。