英文法論争
十数年来、英文法は官民の間で正反対の扱いを受けてきました。
官製の学校英語教育ではそのほとんどの労力を文法学習に捧げるのに対し、民間の英会話スクール等では文法こそ日本人が英語を話せない元凶であると徹底的に排除されてきました。
この現象を反映してか、文法についても発音と同じく「文法などいらない」派と「文法は大切」派両派対立構造が形成されています。
嫌われる英文法
では世論はどうなのかというと、世間では「文法などいらない」系の本が良く売れているようです。韓国でベストセラーになった本もこの系列の本で、日本でも好調な売れ行きのようです。新聞や雑誌等で見かける広告も、この系列のものがほとんどです。
このような文法学習を否定する本や教材が歓迎されるのは、明らかに文法重視の学校教育の反動を受けてのことと思われます。つまり………
- 学校で6年間英語を勉強したのに、それでも使えない
- だから学校の英語教育は間違っている
- 学校英語教育では文法を重視
- 文法中心主義が問題の原因
- だから文法はいらない
という論理展開で、これが世間で幅広い支持を受けています。
こうした学習者の心理を見透かして、文法無視系の書籍や教材が大量に販売されています。
こうした教材には体験者の声が多数紹介されています。内容は一様にして、この教材でいかに「楽に」英語を身につけたか、ということが強調されています。
「文法などいらない」派が言うように、文法は英語下手日本人の元凶なのでしょうか。本項では英語の学習における文法学習の意義、位置づけ、役割について考えてみます。
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