TOEIC攻略法

英文速読のためのスキミングとスキャニング

TOEICリーディングパート7は「読解」問題であって「読書」ではありません。必要な情報を読み取るのが目的なので、何も頭から順番に読んでいく必要はありません。

このような文章から必要な情報のみを読み取る技術として、「スキミング」と「スキャニング」があります。

スキミング

スキミング(skimming)とは要点だけをすくい取る(skim)ように読む読み方のことをいいます。

文章の中には文章を理解する上で重要な部分とそうでない部分が存在します。スキミングとは重要でない部分を読み飛ばし、重要な部分のみを読んでいく読み方です。

読み飛ばす部分があるので、当然読む速度は上がります。問題はどこが重要な部分か見分けるところにあります。

これは簡単なことではありません。しかし、体裁の取れた文章にはある程度型というものがあります。文章構造を把握できるようになればスキミングは決して難しいものではありません。

スキャニング

スキャニング(scanning)とは情報を探し出す(scan)ように読む読み方のことを言います。名簿から特定の人物を探したり、電話帳から電話番号を探すのと同じ要領です。

スキャニングをすると特定の部分しか読まないので読む速度は断然速くなります。

TOEICのような処理速度を問う試験では、スキャニングの技術をマスターすることはスコアアップに直結します。

「スキミング」と「スキャニング」を身につける

「スキミング」とか「スキャニング」とかカタカナにすると何か特殊で高度なもののように聞こえるかもしれませんが、実際には日本語で意識的・無意識的に行っていることなのでコツさえつかめば簡単です。そして何より英文を読む速度は飛躍的に速くなります。

スキミングやスキャニングはTOEICに限らずビジネスや日常生活においてもたいへん有効です。特にビジネスのような速度を要求される環境にあっては、スキミングやスキャニングは必須の技術と言えるでしょう。

情報が氾濫している現代社会にあってこれらの能力は今後ますます重要になっていきます。TOEIC対策だけに限らないのです。

スキミングとスキャニングのトレーニングにあたっては、次の学習書をおすすめします。

『ハイスコア実現!TOEICテスト攻略スピード・リーディング』
木村哲夫 (著)  アルク

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本書はスキミングやスキャニング等のリーディング技術を習得することに重点をおいて構成されています。

大きく分けて理論編と実践トレーニング編に分かれていますが、理論編に40ページ以上割いている点が注目です。理論編の分量・内容とも学習書としては類のないほど充実しています。

理論編の内容は上述のスキミングやスキャニングに止まらず、英語の論理構造や読者タイプ別のアドバイス等、有益な情報が満載されています。

トレーニングの方も非常に秀逸で、セッションごとにトレーニング目的が明確に提示されています。私も以前は頭からすべてに目を通さないと気がすまない方でしたが、本書でトレーニングすることでこの癖を取り払うことができるようになりました。

本書はTOEIC対策としてだけでなく、広く英語を学習している全ての方におすすめできます。

TOEICリーディングパート7対策

TOEICリーディングパート7対策はなにより慣れることです。多くの題材と接するとパターンがつかめるようになります。

もともと広告やメールなどは読み手側に分かりやすいように書いてあります。パターンさえ飲み込むことができれば、想像以上の速度で解答できるようになります。

問題はどのようにそれら素材と接する環境を作るか、というところにあります。日本で生活している以上英語圏の素材に触れることはあまりありません。報道記事は英字紙を読むことで、広告はインターネットなどで対応できますが、ビジネスメール等は仕事で英文メールをやり取りする機会のある方以外は接する機会がありません。

そのため、パート7対策としては、やはり問題集を使用されることをおすすめします。パート5やパート6と比べパターンがつかみやすいので、1、2冊解くだけでも効果は十分に期待できます。ここではおすすめの書籍を一冊ご紹介しておきます。

『TOEICテストスーパートレーニング リーディング編』
米山達郎著 研究社

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本書はTOEICリーディングパート7の傾向と対策、5回分の演習問題とその解説、ビジネス関連の頻出単語集から構成されています。

本書の特徴は設問が絶妙なところです。市販の問題集の中には問題の難易度を上げるために、実際にはTOEICでは出題されないような難易度の高い単語を使用するものがありますが、本書にはそのようなものは見受けられません。

問題の文章そのものはさほど難しくはないのですが、よくポイントをおさえているのでパート7の練習としては最適です。問題も5回分あるので、分量も申し分ありません。

TOEICリーディングパート7の分析とその対策の解説もしっかりしています。TOEICパート7の傾向と対策方法を知る上で欠かせない一冊です。

英文速読

これまで何度も繰り返してきましたが、TOEICリーディングパート7では文章処理能力が問われます。スキミングやスキャニングも文章をいち早く処理するための技術です。広く言えば、速読力が問われるということです。

速読するに当たって重要になるのが単語の「推測力」です。英文を読むと、ほとんどの場合知らない単語が一つや二つはあるものです。そのときその単語の意味について考え込んでいてはTOEICのリーディングセッションを解ききることはできません。

このような場合分からない単語はそのままにして先に読みすすめていくことが重要です。数語分からなくても内容を理解する妨げにはなりませんし、読んでいくうちに文脈から単語の意味がわかることもあります。

100%理解する必要はありません。70%も理解できれば文章の大意はつかむことができます。これだけでも問題を解く分には十分です。

問題を解くのに必要になるもの以外に時間を割くのは、TOEICのような処理速度を問う試験においては無駄以外の何物でもありません。特にTOEICリーディングパート7ではその傾向が強く、無駄を省くことが結果的にはスコアに直結することを覚えておいてください。

速読の技術を身につける

速読の重要性は分かるが、どうしても速読が苦手だ、という方もいらっしゃると思います。そういう方に多いのが単語を音として読んでいるということです。

音読学習というものもあるように、語学と発声は切っても切り離せない関係にあります。ただし、音読には欠点があります。読みあげる速度に限度があるのです。

これは母語でも同じです。読む速度が遅い方は往々にして音に出して読んでいます。たとえ声に出していなくても口がかすかに動いていたり、頭の中で音をだして読んだりしています。

英語の場合、音読しながら読むのは1分間に150字が限度です。これ以上を目指すのならば音読(頭の中での音読を含む)をやめる必要があります。字を音に変換する作業を止め、字から直接意味を取るようにしなければいけないのです。

日本語で読書の速度が遅い方は文字を音にして読む癖がついている場合がよくあります。

そのような場合はまず日本語で練習することをおすすめします。音読せずに文章を読む感覚をつかんだら、次はなるべく平易な英文を使用して練習してください。

なお、文字を音として読まないようにする訓練は速読の訓練の基本でもあります。

日本語の速読については関連書籍も多数出版されているので、次にご紹介するような書籍で練習されることをおすすめします。

『速読術が日本史でマスターできる本』
武光 誠 (著), 橘 遵 (著)

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