英単語学習のための教材選択
文脈を利用した英単語学習法の利点について考えてきましたが、具体的にはどのような文章を用意すればいいのでしょうか。順を追って挙げていきたいと思います。
1.興味のあるもの
文章は興味のある分野から選ぶのが最も効果が上がります。政治に興味のない人が、国際政治の文章を読んでも退屈以外の何物でもないからです。
このような状態では英単語学習の効果は極めて低くなります。スポーツでも、その他の趣味でも、なんでもいいです。好きな分野から題材を選んでください。
なお、資格試験で高得点を望んでいる人や英語専門職を志している人は、ある程度の範囲に置いて好き嫌いに関わらず勉強する必要があります。要はその分野に興味を持てるようになればいいのですが、いきなり英語でやると苦痛でしかない場合があります。
そのような場合は、それらの分野について事前に日本語で勉強しておくことをおすすめします。
背景が分かるようになると英語で読んでも内容が分かるようになるので、英語の勉強が楽しくなってきます。
2.難易度が高すぎないもの
先に新出単語の割合が高いと効果が低くなることについて言及しました。文章の難易度が高い文章は新出単語の割合が高くなりますので、難易度の調整は重要になります。
ではどのくらいが適当なのでしょうか。私の経験から言いますと、新出単語の割合は1割以下にとどめるべきだと思われます。もちろん多少の個人差はあるものと思いますので、実践する中で調整を加えてください。
3.ストレスを感じない長さ
次は文章の長さです。短すぎると短文に近づいてしまいます。頭の中に物語を描くのに必要な長さを確保する必要がありますが、かといって長すぎるとストレスがかかってしまい逆効果になるので、適当な長さのものを選ぶ必要があります。
このあたりについても個人差がありますので具体的な数字を挙げるのは難しいのですが、少なくとも100語を切らない長さは確保すべきだと思います。
これを下回ると短文と変わりがなくなってくるので、イメージするのが難しくなります。できれば200語以上のものを使用すべきでしょう。
また、最長の方ですが、これは個人差によります。ストレスを感じない程度に止めてください。
私の場合は、だいたい200語から400語ぐらいを目安にしていました。参考にしていただければと思います。
4.音声について
使用する文章の音声については必須ではありませんが、あった方がより望ましいと思います。なお、初級者の場合は必ず音声のあるものを用意してください。
5.対訳のあるもの
日本語の対訳があるものを選んでください。
6.できればPCのテキストデータで
通常の書籍や新聞等でも可能ですが、テキストデータの物が手に入る場合はそちらを利用してください。辞書ソフトの方が便利です。
単語や意味、文章のコピーもすぐにできるので、エクセルやアクセス等で英単語のデータベースを作ることができます。(※参照:単語データベースを作成する)